アメリカ大統領予備選が始まって約2ヶ月、共和党ではドナルド・トランプ氏が依然トップを走り、民主党はバーニー・サンダース氏がヒラリー・クリントン氏との差をじわじわと縮めてきている。この予想外の展開に、いったいなぜ、あんな人(トランプ氏)が大統領候補に?サンダース氏ってチャンスあるの?といったよく質問を受ける。
トランプ人気や、トランプ氏と共和党主流派との対立など、すでにニュース解説等もありネット上でも様々な憶測が飛び交っているが、私は「アメリカ国民が、ようやく何かに目覚めアメリカ政治の本質を理解し始めたがゆえの現象ではないだろうか」という思いを抱いている。
今回の記事では、アメリカ国民が何に目覚め始めたのか、アメリカ政治の本質とは何か、いったい今回の大統領予備選で何が起きているのかを、表題にある”エスタブリッシュメント(後に詳述)”をキーワードに、独自に分析してみた。
■巨大資本が操る大統領選
アメリカは民主国家であり、国民に選ばれた大統領が国民のための政治を行う、ということになっている。
しかし、まず始めに言えることは、アメリカ大統領選挙が行われるシステムも、大統領が行う政治も極めて非民主的であるということだ。